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Word-skech

私にとってワードスケッチとは、言葉をリズムとして捉え、言葉である種の風景の抽象性を描くことです。言葉を自らの感性と照らし合わせ、リズミカルに抽象的かつ具象的な世界を表現しています。

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sketch story

「ブルーモーメント」

無秩序で不確実な世界で揺れ動く感情を詩的に描いたショートスケッチストーリー。個展「Unknowableでインスタレーションの一環として展示。

DSC08277.JPG
bluemoment02.jpg

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Unknowable

示作品用ードスケッチ

The world we are living in is unknowable

私たちが生きているこの世界を知ることはできない

 

 

Hide in the shadow of the forest. When being in people, you will lose yourself.

森の陰に隠れなさい

人々の中にいると、あなた自身を失ってしまうから

 

 

You are arrested by the beauty of the deep, flowing night, where everything you have will be lost.

流れる夜の深い美しさにあなたは捕われている

そこでは今あなたが持っている全てのものを失うだろう

 

 

Chasing the darkness lurking within you

あなたの中にある深い闇を追いかけなさい

 

 

All is fading on the ground

All is flowing and changing all the time

地上にある全てのものは色褪せていく

全てのものは常に移りゆき変化していく

 

 

We are from the desolate land

私たちは最果ての荒れた土地から来た

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Art book, Postcard

ードスケッチ

Walking on empty streets in the city,

and looking through the window of the building.

The gloomy sky beyond the window leads you to an imperfect dream at nightfall. 

人気のない街の通りを歩いている

建物の窓の向こうに見える世界を覗く

ガラス窓の奥に映る陰鬱な空は、あなたを夜の始まりの、不完全な夢の中へと導いていく

We wear so many needless words

However, in this lake, those words disappear

私たちは必要のない、たくさんの言葉を身にまとっている

けれども、この湖ではそれらの言葉は消えてしまう

Breathing in the woods

They give us new life every moment

We are a part of their dewdrops born in the morning

森の中で呼吸をしなさい

彼らは私たちに絶えず新たな生命を与えてくれる

私たちは朝に生まれた、森の雫の一部なのだから

 

In the winter sunlight under a cloudy sky

Night and day exist at the same time

薄暗い曇り空の、冬の太陽の元では

夜と昼は同時に存在する

 

Sleep in the dim light of dusk

Find the blue moon in a dream

Your light is being alive there

夕暮れの薄暗がりの中で眠りなさい

夢の中で青い月を見つけなさい

あなたの明かりは夢の中で生き続けている

 

All I do is stay here.

All I do is feel it here.

All I do is listen to the winter birds singing on the quiet island 

and then vanish into the cold, dense fog.

私にできることはここに留まることだけ

私にできることはここで感じることだけ

私にできることは静寂な島で、冬の鳥の囀りを聴くこと、

それから、冷たく深い霧の中に消えていくことだけ

「どうして僕たちはその世界に馴染むことができないんだろう?」

「ほとんどの人はそこに住むことができるんだ。でも僕たちは森の明かりを知っている。森の明かりが何かを知っている人はその世界に住むことはできないんだよ」

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小説のようであり、詩的なアートでもあるような、表現の境を曖昧にしながら展開する二人の対話。

日々を生きることに違和感を覚えた二人が問いかけを深めていくうちに、その世界に灯る森の明かりが繊細な心に寄り添いながら私たちを優しく受け入れてくれる。

捉えどころのない無秩序な世界で揺れ動く感情を描いたショートスケッチストーリー。

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